毎日使っている水道水。
蛇口をひねれば当たり前のように出てくる水ですが、その水が通ってくる「水道管の中の状態」を気にしたことはあるでしょうか。
築10年以上のお家に暮らしている方は多いのではないでしょうか。外壁や屋根の劣化は見た目で気づくことができますが、水道管は壁の中や地面の下に埋まっているため、劣化がかなり進行していても外からはまったく気づけないのが厄介なところです。
また、最近家を建てられた方もいつか必ず遭う問題とも言えます。
この記事では、築年数が経過した住宅の水道管の内部で実際に何が起きているのか、そしてそれが日々の暮らしや住宅設備にどのような影響を及ぼすのかをわかりやすく解説します。
水道管の中では何が起きているのか
新築時にはきれいだった水道管も、10年、20年と年月が経つにつれて内部にさまざまな変化が起きていきます。
代表的なものは「サビ」「スケール(水あか)の付着」「微生物膜の形成」の3つです。
まずサビについてですが、築年数の古い住宅では鉄製の配管が使われていることがあり、内部が年月をかけて徐々に錆びていきます。

朝一番に蛇口をひねったとき、ほんの一瞬だけ赤っぽい水や茶色っぽい水が出た経験はないでしょうか。
あれはまさに配管内部のサビが水に溶け出している状態です。
普段は気にならなくても、こうした水を毎日飲んだり料理に使ったりしていると考えると、少し気になりますよね。
次にスケールですが、これは水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が配管の内壁に少しずつ蓄積していくものです。
スケールが溜まると管の内径が狭くなり、水圧が下がったり水の流れが悪くなったりすることがあります。
そして微生物膜は、配管内部の水が滞留しやすい場所に微生物が繁殖して薄い膜を形成するもので、バイオフィルムとも呼ばれます。
これ自体が直接健康被害を起こすことは稀ですが、水の味やにおいに影響を与える原因になることがあります。
日本海側の住宅は特に注意が必要
私が住む北陸、日本海側の地域には、水道管にとって厳しい条件が揃っています。
まず冬場の凍結リスクです。
気温が氷点下まで下がると、配管内の水が凍結して管が膨張し、目に見えない小さな亀裂が入ることがあります。
一度の凍結では大きな問題にならなくても、これが毎年繰り返されることで、配管の強度は確実に低下していきます。
凍結による破裂は突然起こるため、事前に気づくことが難しいのも厄介な点です。
また、雪国特有の湿度の高さも配管の外側からの腐食を促進する要因になります。
さらに、地下水を水源として利用している地域ではミネラル分が多く含まれる傾向があり、スケールの蓄積が早まることも考えられます。
水道管の劣化が引き起こすトラブル
水道管の劣化を放置していると、さまざまなトラブルにつながる可能性があります。
わかりやすいのは水漏れです。
配管の接合部分や腐食が進んだ箇所から水が漏れ出すと、壁の内部や床下にカビが発生し、修繕費用が大幅に膨らむケースがあります。

早期に発見できれば数万円で済むものが、放置すると数十万円規模の修繕になることも珍しくありません。
もうひとつ見落とされがちなのが、給湯器への影響です。
配管内のサビや不純物が給湯器のフィルターや熱交換器に詰まると、効率が低下して光熱費が上がったり、本体の寿命が縮んだりします。
給湯器の交換費用は20万円〜40万円程度かかることが多いため、配管の状態を整えておくことは設備全体のコスト削減にもつながります。
対策として注目されるオール浄水
水道管の劣化そのものを完全に止めることは難しいですが、劣化した配管を通った水から不純物を効果的に取り除く方法はあります。
そのひとつとして注目されているのがオール浄水(セントラル浄水システム)です。
家の水道の元栓付近に浄水器を設置することで、家中すべての蛇口から浄水が出るようになります。
キッチンの飲み水や料理用の水だけでなく、お風呂や洗面台の水もカバーできるため、配管由来の不純物を生活全体から取り除くことが可能です。
さらに、浄水された水が給湯器を通ることで、給湯器内部への不純物やスケールの蓄積を軽減する効果も期待できます。
水道管の劣化対策と住宅設備の保護を同時に実現できる方法として、検討する価値は十分にあるのではないでしょうか。

まとめ
築10年を超えた住宅では、目に見えない場所で水道管の劣化が確実に進んでいます。
特に北陸のような日本海側の寒冷地では、凍結や高湿度による影響が他の地域より大きく、より注意が必要です。
「うちの水は特に問題ない」と感じていても、一度配管の状態や水質について専門家に相談してみることをおすすめします。
見えない部分だからこそ、早めの対策が将来の大きな出費を防ぐことにつながるはずです。


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